昨年のこと。仕事で長野県のある里山を撮影しました。目的地は東京から約6時間、バスとタクシーを乗り継いで向かう秘境といえるような山村です。里山唯一の宿に泊まって、2日間撮影するというスケジュールでした。

撮影当日の早朝、目を覚ましてみると、珍しく体調が最底辺。それでも集合場所のバスタ新宿に向かいます。新宿までの電車の中でも目まいが止まらず。何だったんだあれは・・・。

さて、なんとか新宿に着いて、プロジェクト担当の方と一緒にバスに乗り込みます。近年ほとんど乗ることのなかった高速バスの影響もあって体調は右肩下がり。昼食もまともに食べられませんでした。

ただ、現地に着いて撮影が始まれば気合いで何とかなるもので、無事1日目の撮影を終えました。

泊まる宿はご夫婦で切り盛りされているロッジで、その日はご主人が出迎えてくださいました。じぶんたち以外には宿泊客はおらず。撮影でやってきた東京からの客を迎えるため、メインがいくつあるんですか?と言いたくなるような夕食を用意してくださいました。

夕食前に少し休んだものの、全く体調が復活していなかったじぶんは、夕食の1割も食べられず・・・。やむなくご主人に事情を説明して、翌朝の朝食も抜きにしてもらいました。それでもニコニコと応じてくださったご主人への申し訳なさたるや。

けっきょく翌朝になると嘘のように体調が復活。前日からほとんど食べてないので、めちゃくちゃお腹が減った状態で早朝からの撮影が始まりました。コンビニも売店らしきものもない秘境なので、食料も調達出来ず。

今度は空腹でふらふらになりながら昼前には撮影が終了。宿のチェックアウトの時間になりました。するとご主人が包みを持ってきて「昨日から食べてないでしょ」と、大きなおにぎりを持たせてくれました。正直ちょっと泣いた。

これがまた、コンビニの爆弾おにぎりをあざ笑うかのような爆弾具合で、肝心の具は忘れちゃったけど、あんなに美味いおにぎりは近年記憶にないくらいでした。

おにぎりといえば、「他人のおにぎり問題」というのがあります。これってそのまんまですけど「他人の握ったおにぎりが食べられない」という人が増えているというのです。はじめてそれを聞いた時は衝撃でした。おにぎりの意味ないやん。

それでいうと、去年と今年ではまったく状況が違います。社会全体でおにぎりが食べられない側に移行してしまったような状況ですね。そもそも「おにぎりを持たせる」という行為からして消滅してしまうのかもしれない。

じぶんとしては、まだ、おにぎり大歓迎の側にいるので、ちょっと寂しいです。今日、Twitterで見かけた焼きおにぎりを作ってみて、なんとなく思い出した話でした。